司法書士インタビュー台本
【警告】売れない実家を「相続放棄」すると悲惨です司法書士に聞いた、相続手続きで絶対やってはいけない9つ
相続放棄・相続登記・国庫帰属、実家の相続手続きでやってはいけない9つ。3か月と3年の期限を司法書士が全部解説
- 目標尺30〜32分
- 作成2026-09-29
- 9つの項目
★=収録前に司法書士が確認する項目
サムネ案:2人の顔+「相続放棄やってはいけない9つ」+赤帯「放棄しても家は消えない」
目次
設計メモ
- 元動画(弁護士回、24分)の骨格=「負動産の相続放棄の地雷」をそのまま使い、項目の順番も寄せた。台詞は全部独自。元動画はクイズ形式で聞き手が外し続ける時間が長いので、こちらは「笹岡が素朴に聞く→司法書士が数字の例で答える」に変えて、同じ尺で中身を倍にする。
- 元動画が触れていない論点を上乗せした(9つのうち④⑦⑧⑨が上乗せ中心):子が放棄すると母と叔父・いとこの共有になる/2023年4月の改正で管理義務は「現に占有している人」だけ/死亡保険金は放棄してももらえる/預金もある家は放棄より「相続して国庫帰属」/相続登記の義務化・祖父名義・農地の届出・住所変更登記・所有不動産記録証明制度/認知症の前にやること。
- 元動画は全部一般論。こちらは税理士回と同じ家族設定と実家A・Bの金額で、全部の項目に「売れる実家A」「売れない実家B」の答えを出す。
- 聞き手=笹岡。「熟慮期間?単純承認?清算人?」が分からない視聴者の代表として、分からない言葉はその場で全部聞き返す。
- 前提講座(7分)で「相続の3択」「相続人の順番」「相続登記」「手放す出口3つ」を先に教える。ここを飛ばすと④(次の順位に回る)と⑦(放棄より国庫帰属)が伝わらない。
- 司法書士の担当外は深入りしない:放棄後の管理責任の争い(損害賠償・工作物責任)と共有物分割は弁護士回、税金は税理士回に戻す(「前回の279万円」を1回だけ戻す)。
- 家族設定:父が亡くなり、母(鶴岡・実家に住んでいる)、長男=笹岡役(仙台)、長女(東京)。遺産は預金2,000万円+実家。今回だけの追加設定=父の兄(伯父、酒田、80代)と、先に亡くなった父の妹(叔母)の子=いとこ(横浜)。
- 実家A=鶴岡駅近、売れば1,500万円。実家B=農村部、宅地1筆(家と作業小屋)+田2筆+畑1筆、値段がつかない。祖父名義の畑が1筆混ざっている(今回の追加設定)。
- 数字・要件は2026年9月時点の私の理解。★は収録前に司法書士に確定してもらう。
0掴み
0:00–1:30相続した実家を手放したい、という相談で最近いちばん聞くのが『相続放棄すればいいんですよね』です
売れない実家だと、それがいちばん危ない選択になることがあります
放棄したら、もう自分とは関係なくなるんじゃないんですか
放棄しても、実家は消えません。次の順番の人に回るだけです。お父さんの家なら、お母さんと、何十年も会っていない叔父さんやいとこに回ることがある
しかも期限は3か月、と聞きました
その3か月の間に、よかれと思って実家を片付けた。それだけで放棄できなくなることもあります
今日は、僕みたいに単純承認も清算人も分からない人向けに、前提から全部聞きます。そのうえで『相続手続きでやってはいけない9つ』。僕の相談窓口に来る実家の半分は値段がつかない家なので、売れない家の答えも毎回聞きます
1前提講座:相続の手続きの地図
1:30–8:301-1相続は「亡くなった瞬間」に始まる。選べるのは3つ
そもそも、相続っていつ始まるんですか。名義を変えた時ですか
司法書士の答え
- 亡くなった瞬間に、自動で始まる。名義変更をしてもしなくても、遺産(プラスもマイナスも)は相続人のものになっている
- 相続人が選べるのは3つだけ
- 単純承認:全部引き継ぐ。何もしなければ自動でこれになる
- 相続放棄:全部引き継がない。家庭裁判所に申し立てる
- 限定承認:プラスの範囲でだけマイナスを引き継ぐ。相続人全員で申し立てる。税金の罠があって実務ではほとんど使わない(税理士回の⑥)
- 放棄と限定承認の期限は「自分が相続人になったと知った時から3か月」。これを熟慮期間という。3か月を過ぎると、自動で単純承認
- ほかにも、遺産を使ったり処分したりすると「単純承認した」とみなされる(法定単純承認)。これが③で出てくる地雷
何もしないと、全部相続したことになる
そう。放棄は『何もしない』ではなく、『裁判所に書類を出す』です
1-2相続人の順番
相続人って、誰がなるんですか
司法書士の答え
- 配偶者(お母さん)は常に相続人
- それに加えて、順番に1つのグループだけ
- 第1順位:子。子が先に亡くなっていれば孫(代襲相続)
- 第2順位:親(亡くなった人の父母、祖父母)
- 第3順位:兄弟姉妹。兄弟姉妹が先に亡くなっていれば、その子=甥・姪まで
- 前の順位の人が全員放棄すると、次の順位に回る。本人に知らせる仕組みはない
- 設定の家族なら、今は母+長男+長女。長男と長女が放棄すると、父の親はもう亡くなっているので第3順位へ。相続人は「母+伯父+いとこ」になる
ホワイトボード:家系図1枚(父・母・長男・長女、父の兄=伯父、父の妹=叔母→いとこ)
1-3相続登記は義務。費用の式
相続登記って何ですか。税理士回でも出ました
司法書士の答え
- 実家の名義を、亡くなった親から相続した人に書き換える手続き。法務局に申請する
- 2024年4月から義務。相続で取得したと知った日から3年以内。正当な理由なく放置すると10万円以下の過料★
- 2024年3月より前の相続も対象。その場合の期限は2027年3月31日★
- 費用は3つ:①登録免許税=固定資産税評価額×0.4%、②戸籍などの取り寄せ、③司法書士に頼む報酬
- 実家Aなら、固定資産税評価額が土地800万円+建物80万円として880万円×0.4%=3万5,200円★。報酬は5〜10万円くらい★。戸籍は数千円
- 評価額100万円以下の土地は登録免許税がかからない特例がある★(2027年3月末まで★)。実家Bの田畑は多くがここに入る
1-4売れない実家を手放す出口は3つ
売れない家を手放すには、どんな方法がありますか
司法書士の答え売れない家の場合
- ①相続してから、誰かに譲る(隣地・集落・0円物件サイト・自治体への寄付)
- ②相続してから、国に引き取ってもらう=相続土地国庫帰属制度。2023年4月から。土地だけで、建物は壊しておく。手数料1筆1万4,000円+負担金20万円〜
- ③相続放棄する。ただし放棄しても家は消えないので、最後は「相続財産清算人」(相続人がいなくなった遺産を整理して国に渡す人)を裁判所に選んでもらうまでが1セット。予納金が数十万〜100万円くらい★
- 今日の「やってはいけない9つ」は、③を選ぶ人が踏む地雷が中心。②と比べながら聞いてください
ホワイトボード:出口3つの比較表(費用・期間・預金は残るか)
2やってはいけない9つ
8:30–30:00「何ももらわなかった=放棄した」と思い込む
8:30–10:30(元動画の地雷2をここに)
兄妹で話し合って、実家は兄、預金は妹、僕は何ももらわない。これって放棄ですよね
司法書士の答え
- それは「遺産分割で何ももらわなかった」だけ。法律上の相続放棄ではない。相談で一番多い勘違い
- 相続放棄は家庭裁判所に申し立てて、受理されたものだけ。それ以外は全部、相続人のまま
- 違いが出るのは2つ。父に借金があった時、遺産分割で何ももらわなくても、借金は法定相続分で請求される。そして、実家が問題を起こした時(倒壊・行政の指導)、相続人として連絡が来る
- 裁判所の手続き自体は安い。申立書に収入印紙800円+切手代、戸籍を数通★。司法書士に書類作成を頼んで1人3〜5万円くらい★
売れる家の場合遺産分割で「実家Aは長男」と決めれば十分。放棄する理由はない
売れない家の場合遺産分割で「実家Bは長男」と決めても、長女は法律上は相続人のまま。長男が放置して問題が起きれば、長女にも話が来る。だから分け方と一緒に「誰が、いつまでに、どう手放すか」を協議書に書く
3か月を「四十九日が済んでから」で過ごす
10:30–12:30(元動画の地雷1)
葬儀、役所の手続き、四十九日。落ち着いてから考えよう、は普通ですよね
司法書士の答え
- 四十九日で1か月半が終わる。残り1か月半で「放棄するか」を決めて、戸籍を集めて、申立書を出す。実際は時間が足りない
- 3か月の起点は「亡くなった日」ではなく「自分が相続人になったと知った日」。ただし、子や配偶者は亡くなった日に知ったと扱われることがほとんど
- 間に合わない時は、3か月以内に「熟慮期間の伸長」を家庭裁判所に申し立てる。印紙800円★。通れば数か月延びる★
- 決めるための材料集め:借金の有無は信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)に開示請求、親の不動産は市役所の名寄帳(その市町村にある不動産の一覧)で。2026年2月からは法務局の「所有不動産記録証明制度」で、親名義の不動産を全国まとめて調べられる★
売れる家の場合放棄する理由がない家。3か月は気にしなくていいが、借金の有無だけは確かめる
売れない家の場合実家Bしかない、借金もある、という家なら、四十九日を待たずに動く。迷ったら伸長をかけて時間を買う
放棄する前に、実家を片付ける・売る・預金を使う
12:30–15:00(元動画の地雷3)
母が住んでいない、例えば一人暮らしの父が亡くなった場合。放棄するつもりでも、家の片付けくらいはしますよね
司法書士の答え
- 放棄を考えているなら「財産に手を付けない」が原則。遺産を処分すると単純承認したとみなされて、放棄できなくなるか、後で放棄が無効になる
- 危ない例:家財道具をまとめて処分・売却する/車を売る/親の預金を引き出して自分のことに使う/親の借金やカードの支払いを親の預金から払う/家を解体する/形見分けで価値のあるもの(時計・着物・骨董)を持ち帰る
- 大丈夫とされやすい例:常識的な額の葬儀費用を親の預金から払う/写真や手紙など価値のない形見/腐るものの処分、雨漏りのブルーシートなど、価値を守るための最低限の保存行為★。ただし「どこまでならいい」は最後は裁判所が決める。迷ったら触らない
- 自分のお金で払う分には単純承認にならない。葬儀費用は自分の財布から、が安全
売れる家の場合放棄しないなら関係ない。ただし「放棄するかも」と迷っている間は片付け業者を入れない
売れない家の場合一番危ない。「どうせ誰も住まないから」と先に片付け・解体すると、放棄できなくなる。放棄を考えるなら、片付けは放棄を決めた後、相続財産清算人に任せる。放棄しないと決めたなら、税理士回④のとおり領収書を残して片付ける
自分だけ放棄して、親戚に言わない
15:00–17:30(元動画の負動産特有2を、設定の家族で具体化して上乗せ)
僕と妹が放棄したら、実家Bはどうなるんですか
司法書士の答え売れない家の場合
- 相続人は「母+第3順位」になる。父の両親はもう亡くなっているので、父の兄(伯父)と、先に亡くなった父の妹の子(いとこ)
- 法定相続分は母が4分の3、残り4分の1を伯父といとこで分ける
- つまり、子が「負動産がいらないから」と放棄すると、実家に住んでいる母が、伯父やいとこと遺産を分けることになる。預金2,000万円の4分の1=500万円が父の兄弟側へ。実家も母と伯父・いとこの共有になりうる
- 放棄しても、次の順位の人に通知は行かない。伯父やいとこが知るのは、市役所から固定資産税や空き家の指導の手紙が届いた時。その時点では3か月が過ぎていることもある(知った時から3か月なので、放棄はまだ間に合うことが多い★)
- 伯父が80代で認知症なら、伯父は放棄できない。その家は長く「宙ぶらりん」になる(⑨で戻る)
母のために放棄したつもりが、母を一番困らせる
子の放棄は、母と一緒に考えないといけない。母が相続する前提なら、子は放棄より遺産分割で『全部母へ』のほうが話が早いことが多い
売れる家の場合子が放棄する理由はほぼない。遺産分割で母に集めればいい
売れない家の場合放棄するなら、家族全員(母も含めて)と、次の順位の親戚まで、放棄する前に連絡する。親戚まで全員が放棄すれば、⑥の清算人に進める
ホワイトボード:1-2の家系図に×を付けて、相続人が移っていく様子を見せる
「受理されたから終わり」と思う
17:30–19:30(元動画の地雷4と「30年」の話をここに)
家庭裁判所から『受理しました』という紙が届いたら、もう安心ですよね
司法書士の答え
- 受理は「受け付けて、形式を確かめた」というだけ。放棄が有効だと裁判所が保証したわけではない。後で債権者や他の相続人が「③の処分をしていたから無効」と争うことはできる
- 届くのは「相続放棄申述受理通知書」。第三者に見せるには「相続放棄申述受理証明書」を別に請求する(1通150円★)。市役所・債権者・次の順位の親戚に出すのはこっち
- 家庭裁判所の放棄の記録(事件簿)は30年で保存期間が終わる★。借金は時効で消えるが、土地は消えない。30年後、子や孫の代で実家Bが問題になった時、「父は放棄した」と証明できないおそれがある
- だから受理証明書は、登記の権利証と同じ場所に保管して、家族に「これだけは捨てるな」と伝える。そして、放棄しただけで終わらせず、⑥の清算人まで進めて登記簿に残すのが一番確実
売れる家の場合関係ない
売れない家の場合受理証明書を最低3通取る。市役所の固定資産税の担当、次の順位の親戚、自分の保管用
「放棄すれば管理の責任もゼロ」と思う
19:30–22:30(元動画の負動産特有1と対策をここに。2023年の改正を上乗せ)
放棄したのに、家の責任が残るって本当ですか
司法書士の答え
- 2023年4月の民法改正で整理された。放棄した人に残るのは「放棄した時に、その家を現に占有していた人」の保存義務だけ。次の相続人か、相続財産清算人に引き渡すまで、壊さないように保つ義務
- 占有していなかった人(仙台の長男・東京の長女のように、住んでも使ってもいない人)には、原則この義務はない★。「鍵を持っているだけ」がどうかは事情しだい★
- 母が実家に住んでいて放棄する場合は、母が占有している。母には次の人に引き渡すまでの義務が残る
- 義務とは別に、放棄した後に固定資産税の納付書が届くことがある(1月1日時点で相続人が決まっていないと、市が相続人の代表に送るため)。受理証明書のコピーを出して、市に「放棄した」と伝える
- 全員が放棄して相続人がいなくなったら、家庭裁判所に「相続財産清算人」の選任を申し立てる。放棄した人も申し立てられる★。清算人が家と土地を処分し、残れば国に渡す。登記簿に「亡○○相続財産」と入るので、⑤の30年問題も消える
- 費用:清算人の報酬などに充てる予納金が数十万〜100万円くらい★(遺産に預金があれば減ることがある)。書類作成を専門家に頼むとさらに十数万円★。期間は1年以上★
- 倒壊して人にけがをさせた時の賠償など、責任の争いは弁護士回で
つまり、売れない家を放棄できれいに手放すには、放棄の実費+清算人で100万円前後
その100万円があるなら、生前に手放せる家も多い。⑦⑨につながります
売れる家の場合関係ない
売れない家の場合放棄するなら「全員の放棄→清算人」までを1セットで予算に入れる。年20万円の放置コスト(税理士回①)を5年払うより安いかどうかで比べる
預金もあるのに、負動産のために全部放棄する
22:30–25:00(元動画にない論点。税理士回⑥の続き)
父の遺産は預金2,000万円と実家B。預金は欲しい、実家Bだけいらない。どうしますか
司法書士の答え売れない家の場合
- 放棄は全部か無しか。実家Bだけ放棄はできない。放棄すれば預金2,000万円も手放す(そして④のとおり、母と伯父・いとこに回る)
- この家族なら、放棄ではなく「相続して、手放す」。遺産分割で実家Bを1人(例えば長男)に寄せて、手放す費用を預金から出すと協議書に書く
- 手放し方は国庫帰属が第一候補。実家Bなら、宅地1筆+田2筆+畑1筆=4筆で、審査手数料1万4,000円×4=5万6,000円。負担金は原則1筆20万円★(隣り合う同じ種類の土地はまとめて計算できる特例がある★)。これに作業小屋の解体費◯◯万円(解体業者回で)
- 国庫帰属で落ちる土地:建物がある/抵当権がついている/境界がはっきりしない・隣と揉めている/通路として人が使っている/崖・大きな木・埋まっているゴミがある など。申請の前に、境界と地中を確かめる。審査は半年〜1年くらい★。申請書は司法書士・弁護士・行政書士が作れる
- 放棄しても受け取れるお金がある:父が契約した生命保険で、受取人が長男と指定されている死亡保険金は、長男自身のお金なので、放棄してももらえる★(相続税の非課税枠は使えなくなる★。税理士に確認)
放棄で清算人まで行くと100万円前後。国庫帰属なら手数料と負担金で数十万円+解体費。しかも預金は残る
預金がある家は、ほぼ『相続して国庫帰属か、譲る』。放棄は、遺産が負動産と借金だけの家の選択肢です
売れる家の場合手放すなら売る。空き家特例の期限(3年目の年末)は税理士回⑤
売れない家の場合遺産が実家Bと借金だけなら放棄(+清算人)。預金もあるなら相続して国庫帰属か譲渡。どちらになるかは「遺産の中身」で決まる
相続登記を「売る時でいい」と放置する
25:00–27:30(元動画にない論点)
売れない実家Bは、登記しなくても困らない気がするんですが
司法書士の答え売れない家の場合
- 義務になった。相続で取得したと知ってから3年以内、しないと10万円以下の過料★。2024年3月より前の相続は2027年3月31日まで★
- 分け方が決まらない時は「相続人申告登記」。相続人の1人が「自分は相続人です」と法務局に届け出るだけで義務を果たせる。登録免許税はかからない★。分け方が決まったら、そこから3年以内に本当の登記
- 庄内で多いのが「祖父名義のまま」。祖父→父→子と相続が重なっている(数次相続)と、祖父の子全員、その子…と相続人が十数人〜数十人になる。実家Bの畑1筆が祖父名義なら、その1筆のために全員のハンコが要る。放置するほど人数が増える
- 未登記の作業小屋:登記がない建物は、建物の登記(表題登記)を土地家屋調査士が作るところから。売る時も国庫帰属で壊す時も、先に確認
- 農地を相続したら、農業委員会に届け出る(知った時から10か月以内★)
- 住所変更登記も2026年4月から義務。引っ越したら2年以内、5万円以下の過料★。仙台に住む長男が相続したら、次に引っ越した時も要る
売れる家の場合売る前に必ず相続登記が要る。3年以内に売るなら、登記と売却を一緒に進める。費用は1-3のとおり約3.5万円+報酬
売れない家の場合一番放置されやすく、一番こじれる。祖父名義の1筆があれば、今のうちに相続人を数える。国庫帰属も譲渡も、まず登記が済んでいないと始まらない
母の認知症を待ってしまう
27:30–30:00(元動画の「清算人が使えない場合」を入口に、生前の対策を上乗せ)
元動画でもよく出る話ですが、相続人に認知症の人がいるとどうなりますか
司法書士の答え
- 認知症で判断ができない人は、自分で放棄も遺産分割もできない。④の伯父が認知症なら、伯父は放棄できず、清算人にも進めない
- 母が認知症になると、母名義の家は売れなくなる(売る判断ができないため)。父の相続の遺産分割もできない
- その時の手段は成年後見。家庭裁判所が後見人を選ぶ。後見人は母の財産を守るのが仕事なので、母に不利な放棄はしないし、母が住んでいた家を売るには家庭裁判所の許可が要る。専門職が後見人になると報酬が毎月2〜3万円くらい★、母が亡くなるまで続く
- 元気なうちなら選択肢が増える
- 家族信託:母の家を長男に託して、母が認知症になっても長男が売れるようにする。司法書士への報酬は数十万円くらい★
- 任意後見:母が自分で後見人(長男など)を選んでおく
- 遺言:母の遺言で「実家Bは長男に、手放す費用は預金から」と決めておく。二次相続(母が亡くなった時)で兄妹が揉めない。自筆の遺言は法務局で保管できる(3,900円)
- そして一番いいのは、親が元気なうちに、親の名義のまま手放すこと。売れる家は親が売れば税金が軽い(税理士回②)。売れない家は、親が自分で買った土地なら親の代では国庫帰属が使えない(相続・遺贈で取得した人の制度)。祖父から相続した土地なら親の代でも申請できる★。どちらになるかを確かめて、親の代で譲るか、相続した後に国庫帰属かを家族で段取りしておく
売れる家の場合母が元気なうちに「売るか、誰が相続するか」を決め、家族信託か遺言で動かせるようにしておく
売れない家の場合母・伯父の認知症で手続きが止まるのが一番高くつく。母が元気なうちに遺言、伯父がいる家は親戚の状況も確かめておく
3まとめとCTA
30:00–32:00まとめ(司法書士が9つを30秒で)
- もらわない≠放棄。放棄は家庭裁判所だけ
- 3か月は四十九日で半分終わる。間に合わなければ伸長
- 放棄するなら家にも預金にも触らない
- 放棄は次の順位へ。母と親戚に先に言う
- 受理はお墨付きではない。受理証明書を残す
- 放棄は清算人まで1セット、100万円前後
- 預金がある家は放棄より相続して国庫帰属
- 相続登記は3年以内。祖父名義は今すぐ数える
- 認知症の前に、遺言・家族信託・生前の処分
売れる家は、放棄ではなく登記と3年目の年末。売れない家は、放棄の前に『遺産の中身』と『次に回る人』を確かめる。どちらも、相続が起きる前に動くのが一番安い
迷ったら、3か月のうちに一度だけ専門家に聞いてください。それだけで9つのほとんどは防げます
CTA
- 庄内に実家がある人は「庄内 空き家のよりどころ」で無料相談。司法書士・税理士・解体・片付けをひとつの窓口で https://shonai-akiya-yoridokoro.diydao.workers.dev/
- 全国の人は概要欄の「相続放棄する前の5つのチェック」「相続人の順番の早見図」
- 次回:弁護士回「放棄しても残る責任と、兄妹で揉めた時の分け方」
収録前に司法書士に確定してもらう項目(★)
撮影メモ
- 前提講座(1章)はホワイトボード3枚:「相続の3択と3か月」「家系図(相続人の順番)」「出口3つの比較表」。家系図は④で×を付けて使い回す
- 9つは番号テロップを固定。各項目の終わりに「売れない家なら→」の赤テロップ
- 実家A・Bの数字は2列で並べる。キーになる金額は「預金500万円が伯父・いとこへ」(④)と「放棄+清算人で100万円前後/国庫帰属は数十万円+解体費」(⑥⑦)。ここが山場
- 税理士回の数字は1回だけ戻す(⑥の年20万円、⑨の「親が売れば税金が軽い」)
- 元動画のクイズ形式は使わない。笹岡は「素朴に聞く→すぐ答えてもらう」で尺を中身に使う
- 実家Bの映像(農地・作業小屋・祖父名義の畑)を笹岡が事前に撮る